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長塚節って、

知っていますか?

長塚節って、_d0050469_11354311.jpg



















白き瓶 小説長塚節

私はなんとなく知っていました。明治期から大正期を生きた、「土」を書いた作家。という認識のみですが。

(すみません、これでも専攻は日文…)

藤沢周平にしては江戸時代ではないので、なんとなく今まで敬遠していました。







私は江戸時代好きなんですよ。大学時代の卒論は、それで江戸時代をテーマにしましたからね。ごちゃごちゃして活気があって、文化が花開いたあの時代が好きなんです。

ですが藤沢周平フェアをやっている身としては、避けては通れない道。心してかかりました。厚いし。

これが剣術ものならサックサクいけるんだろうなーと思いながら。





実際読み終わってみて、かなり読むのに神経を使ったと思います。

私普段30分あったら50ページ読めるんですが(特に好きな本はいけます。藤沢周平の江戸時代もの、吉川英治の三国志は行けました)、これはせいぜい40ページくらい。

登場人物多いこともさることながら、手紙、短歌など文語体の文章も多く(しかも一箇所だけ口語体のハガキがあったりして紛らわしい)、しかもいつもの藤沢周平の文章じゃない感じで。







しかもしかも、小説というよりは、大河。一人の男の人生を取材で綿密に追いかけた、大河です。

そこには長塚節という一人の人間が生きていて、周りを彩る様々な人たちも共に走り、青春を燃やし、生きていた姿があります。

最後読み終わった時は、なんか友人を喪ったような喪失感を感じました。一人涙ぐみましたよまじで。







妻子を持たず、短歌の高みを目指し続け、小説も書き、実家の差配もし、また旅を多くし、愛する短歌と旅で命を縮めた長塚節。

悲恋で終わった恋があるからこそ、こんなに辛く感じるのでしょうか。

読み終わって疲れたと感じたけど、しばらくしてもう一度最後の数ページを読み直してしまいました。







解説で清水房雄さんが言われていますが、これは本当に「骨の折れる」小説です。

「一茶」「雲奔る」のような長編の史実を元にした物語ですが、その非じゃない。

本当にこのように感じて考えて生きて、亡くなったのだろうと胸にずっしりくる物語です。






最後「解説」「往復書簡」「往復書簡解説」とありますが、往復書簡解説にある「世田谷文学館の藤沢周平の世界展(2005年)」に私行きました!会期ギリギリだったけど!(すごいなー当時はまだ10代…何年前だよ。時間もギリギリだったせいか空いており、おじいちゃんしかいませんでした)

この本を当時読んでいたら、もっと面白く楽しめたのかな、と思いました。残念。もう一度やってくれないかな。

せめて鶴岡の藤沢周平記念館に行きたいです。(ちなみにこちらは姉とオープン初日に合わせて夜行バスで行った思い出が…笑)


最後になりましたが、山形県沖地震で被害にあわれた方々にお見舞い申し上げます。
鶴岡も強かったようですね。

2019/6/18読了

# by kei-kasa | 2019-06-24 19:42

これも一度読んだことありました。

お休み中(産休中)に読んだようです。

これも一度読んだことありました。_d0050469_11354341.jpg




















又蔵の火

表題作「又蔵の火」ほか、「賽子無宿」「恐喝」など5編を収録。

もう、全部暗い。どうにかこの暗さから抜け出せないか、と考えるほどに暗い。

又蔵もですが、この短編集の主人公たちは暗い運命に向かって歩き、そこがだめだとわかっていても抜け出せない。


「主人公たちは、いずれも暗い宿命のようなものに背中を押されて生き、あるいは死ぬ」と藤沢周平自身が言っているように、生きて、死にます。

初期だから、と今はわかって読めますけど、これをリアルタイムで読んでいたら「藤沢周平は暗い物語を書く人」とインプットされていたことでしょう。そして離れていっていたかも。

まあ今はいろんな作品を読んでいて、暗い話も明るい話も、深みも味もあって好きになれているので、よかった。


2019/6/11読了


# by kei-kasa | 2019-06-23 19:35

2回目なんだけど、初読のような。

かなり昔に読んだのかな。

2回目なんだけど、初読のような。_d0050469_21153326.jpg





















龍を見た男

表題作「龍を見た男」は、龍があっさり。という感じ。
なんか藤沢周平っぽくないなあ。町人・武家ものじゃないから?
私の記憶では「すごくいい話!」てイメージだったので、正直拍子抜けしてしまいました。

「帰ってきた女」「おつぎ」「女下駄」「失踪」「切腹」みたいなラストは好き。
もうほぼ全部だわ。
「弾む声」がこの中では一番好きです。健気な女の子が報われるって嬉しい。

2019/5/28読了
# by kei-kasa | 2019-06-01 19:14 | 藤沢周平

こちらも初読

武家ものと町人ものと、紀伊国屋の話。(紀伊国屋も町人ものなのかな?商人ものなんてジャンルないよね)

こちらも初読_d0050469_14192598.jpg





















霜の朝

日にちが経ちすぎて、感想をあまり思い出せない…。
しかも読んだあと数日バタバタだったので余計…。

そのため今さらっと読み返しましたが、どれもあーこの話ね、とストンと思い出せる。
どの短編も中身が詰まってて面白い。
裏表紙に「円熟」とありますが、まさしく円熟期の、いい時期の話なんでしょうね。

どの話も面白かったですが「密告」「報復」が好きです。武家ものだな〜。

2019/5/22読了
# by kei-kasa | 2019-05-27 18:27 | 藤沢周平

なんとなく、いつもと違う短編集。

橋_d0050469_14192413.jpg





















夜の橋

「一夢の敗北」とか「鬼気」とかでしょうか。違う感じが漂う理由は。
「泣くな、けい」は藤沢周平っぽい話。
あとは「暗い鏡」も好き。

2019/5/20読了
# by kei-kasa | 2019-05-26 18:14 | 藤沢周平

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